「藤枝かおり」や「藤枝めぐみ」、「朝比奈玉露」や抹茶の原料となる「てん茶」など、他地域では類を見ないほど多くの種類のお茶を生産し、香り高い銘茶の産地として知られる藤枝ですが、その歴史は古く、江戸時代に書かれた古文書に「茶園」のことが記されているほど。藤枝の気候や風土がお茶の生産に適しており、山間地を中心に、優良なお茶が生産されるようになりました。すると次第に、多くの人が行き交う宿場町へと繰り出して取引をする茶生産農家が増え、茶商になるものが出現。こうしてさらに人が集まるようになると、製茶だけでなくその他の茶業関係者も増え、藤枝宿沿いには、茶業を営む者が集まった町「茶町」が形成され、お茶の集散地として大いに栄えることとなりました。
今でも、「茶町」には、多くの茶商らが軒を連ね、町には爽やかなお茶の香りが漂っています。そんなお茶の香かおる茶町では、年に一度、茶工場や茶商の店先などを会場に、お茶と歴史やアートなどを融合させたイベント「お茶の香ロード」が開催されています。蓮華寺池公園からも徒歩圏内の「茶町」は、お茶の香りに包まれながら、のんびりまち歩きを楽しめるおすすめのエリアです。