旧東海道藤枝宿の少し西に入った場所にある神社です。山がなく月がよく見えたことから「月見里」と書いて「やまなし」と読まれたと言われています。鬼岩寺の門前に位置し、境内に市神が祀られていることから、この付近には鬼岩寺の門前市が立っていたと考えられています。江戸時代の東海道が整備される以前には、この辺りで中世の東海道と瀬戸ノ谷街道が交わり、門前市には山間部だけでなく海浜部からもそれぞれの産物を求めてたくさんの人々が集まったと考えられ、その賑わいが江戸時代の藤枝宿へと引き継がれていったといわれています。神社の裏にそびえる大きな楠(市指定天然記念物)は門前市の目印となる標木だったと考えられています。